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悠々と傍観者になんてさせないということなのだろうか。

どれもこれも味の濃そうな料理がテーブル一杯に並べられている。食欲が失せたのに加え、薄味派の私にはこの欧米食?は辛い。

ひたすらサラダにフォークを突き刺しているとロンに「君、大丈夫?」と心配されてしまった。

なんてことだ、ロンに心配されるなんて。「全然、大丈夫」と答えて私はチキンを自分の皿によそったが、やっぱりサラダにフォークを突き刺した。

ふと、斜め前に座るハリーの手が止まっていることに気付いた。不思議に思い、ハリーの視線の先を辿れば……。

あぁ、始まった。これが彼とハリーの最初の御対面。二人の噛み合わない運命の歯車が回り出したんだ。


「First name、私あなたと同じ寮で嬉しいわ」

「あぁ、うん、私もだよハーマイオニー」


ザクッ。

レタスに刺さったフォークが随分と良い音を奏でた。

本当だったら、その言葉彼から聞いてたかもしれないのに。本当だったら今頃、彼の隣で家自慢を聞いていたのに。

ザクッ。


「あー、First name?あなた大丈夫?」

「うん、全然、大丈夫」


ロンの時と全く同じように答えて無残な姿になったレタスを、もしゃもしゃと噛み砕いた。

で、どこまで干渉しろと?傍観者でいるなというなら、攻略本ぐらいくれよ。ハリーを救えばハッピーエンド?闇側についたらゲームオーバー?リセットボタンはありますか?

この物語の正解を知らない私は、どこへ向かって進めば良いんですか?


「あー」


結局、チキンは丸々残ったままだった。

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