×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
06

一年の締めである試験がいよいよ始まった。皆が神経質のようにピリピリとする中、もちろんハリーたちも皆と同じようにピリピリしていた。ただし、その理由は皆とは違ったものだけど。

処罰の日からハリーたち、否ハリーに私は監視されているように感じていた。何処にいても視線を感じる上に、あからさまに余所余所しい態度になったから。

あの時、ハリーが何を感じたのかは知らないけど何かを感じて、察して、私に疑いを持ったのは明らかだった。

まぁ、私にとっては取るに足らないことだけど。

試験勉強はもちろんのこと、食事、教室の移動、談話室でさえ私は一人になった。でも今更、仲間外れにされて泣くほど子供じゃない。十数年も生きていれば似たようなことは誰しもが体験して通るものだ。


「First name」


談話室だとハリーやらその他の好奇心の視線が煩わしくて、わざわざ図書館まで来て最後の試験である魔法史の勉強をしていれば背後から声を掛けられた。


「あ、ドラコ」

「座っても良いか?」


ドラコは断りを入れてから私の向かい側に座った。そして私を見ている。それはもう穴が空くんじゃないかってぐらい、見てる。ドラコの手には羽根ペンも羊皮紙もなければ教科書すらない。どうやら勉強しにきたわけではなさそうだ。

特にこちらから話す用事なんてないけど、こう見られていては集中するもんもできない。私は降参したように息を吐くと一度羽根ペンを置いて顔を挙げた。


「何、勉強しなくて良いの?」

「もう充分、頭に入ってる」

「へぇ、ドラコって頭良いんだ」

「まぁな」


さすがルシウスの息子。


「それより、First name。最近、ポッター達といないじゃないか」

「そ?まぁ、元々べったりって感じじゃなかったし」


ドラコの視線の意図が分かると、何だそんなことかとまた暗記用の羊皮紙に視線を落とした。頬杖付きながらなところ、真剣に頭に入ってきてはいない。


「まさか、虐められてないよな」

「まさか、当たり前でしょ。てか、されてたらやり返すし」


そう言って視線だけ上げると安堵しているドラコがいた。思わず私までも口元が緩んでしまった。


「何、心配してくれた?」

「……まぁ」

「ありがと」


にっこり笑えば、頬を赤くして視線を逸らされた。うん、ドラコ萌。


「とにかく!何かあったら言えよな!」


ビシッと人差し指を私に向け足早に図書館から去って行った。

あはは、何だそれ。

ツンデレなドラコに悶えさせられました。

[ 111/125 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]