×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
心読みくん、喧嘩する

「わからずや。もういいよ」


心読みくんはいつもと変わらぬ顔に怒りマークを貼り付けてスタスタと行ってしまった。

現在、文化祭三日目である。


「あー、First nameちゃん?」

「コンちゃん」

「う、うん」

「私、私、心ちゃんに嫌われた」

「あー、うん」


心読みくんが去って行った方を見つめるその双眼からは、ぼろぼろと惜しみなく涙という名前の雫が零れ落ちていた。


「えっと、追い掛ける?」

「……帰る」

「え?」


心読みくんが去って方向とは真逆に歩き出したFirst name。コンちゃんことキツネ目くんは、おろおろと二人が去った方向を見比べていたが、本当にFirst nameが初等部寮の方へ向かっていると知り、心読みくんが去った方へと駆け出したのだった。

[ 2/6 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]