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心読みくん、席替えの席替え

よく頑張った一週間。


「First nameちゃーん、出て来なさーい。こんなところで引きこもっちゃ駄目でしょー」


こんなところ。心読みくんの部屋。


「First name?」

「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ」

「あはっ、もう心駄々漏れだね」


読む必要もないねなんて笑う心読みくんの胴体にしがみついて離れない私。心読みくん不足で死にそうになった私は突撃心読みくんの部屋を行った。そして翌日、そのまま籠城。

学校に来ないことから始まりクラスメートたちの多種多様なるアリスによって、私が心読みくんを人質に心読みくんの部屋に籠城したことが瞬く間に広まった。そして担任ナルが派遣されたのである。


「First nameちゃーん?聞いてるかーい」

「First name、お腹も空いたしそろそろ出ようよ」

「……」


嫌々と首を振る私に心読みくんの溜息が聞こえてきた。ドキリと心が揺れた。


まったくあなたは迷惑掛けるしか能がないの?
またなの!?良い加減にして!
First name!あっちいって!
泣かないでよ!泣きたいのは私なの!
あなたなんて、ウマレテコナキャヨカッタノニ。


「First name、大丈夫だよ。First nameは生まれてきて良かったんだよ」

「し、心ちゃん」

「泣かないでFirst name。僕は君を手放したりしないよ?」

「ひっ、だって、ママは、ママは」

「First name、僕の隣にいてくれてありがとう」

「うっ、うっ、ナルー!!!」

「え、はいはい?」


扉の向こうからナルが素っ頓狂な声をだす。


「席戻せー!!!」


大波乱な席替えでした。

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