07
放課後、職員室へと向かう。これから任務らしい棗とすれ違い「気をつけて」と激励を送ったら何故か目を見開かれた。何故だ。
ノックもせずそっと扉を開けて職員室を覗き込めば鳴海の姿はなかった。あの野郎なんて心の中で毒吐き、さてどうしたものかと溜息を吐けば生物担当の岬ちゃん発見。
「み……」
「何をしている」
「あはは、神野先生。こんにちは」
気配絶って背後に立たないで下さい。よりによって神野先生に見つかるなんてと自分の運の無さを嘆いてみた。
「担任の鳴海先生はいらっしゃるでしょうか?」
「鳴海なら図書室の方へ向かっていた」
「図書室?分かりました。ありがとうございます」
図書室でお手伝い?まさか本の整理なんてさせられるのではないだろうな。
向けた背を神野先生が眉を潜め見つめていたのなんて知らなかった。
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