04
結局、一時間目の授業は間に合わない時間になってしまい、食堂に寄って空腹を満たしてから二時間目の授業を受けることにした。
一時間目は鳴海先生の授業だし、あの人は何も言ってはこないだろう。
「また遅刻かい?」
「あはは、こんな時間に朝ご飯出してもらってごめんなさい」
「良いよ、ただししっかり食べなさい?」
「はーい」
食堂のおばちゃんとは顔見知りだった。いつも変な時間に食料を求めてくるから。次第に、あらまた?的な関係になったのだ。
星の数より少し控えめにしてもらった食事をゆっくりゆっくり食べてデザートをお腹におさめた頃、ちょうど一時間目の終わりを告げる鐘が鳴った。
「ごちそうさまでした」
「しっかり勉強してきな」
「うん、行ってきます」
クラスに行けば数人が「また寝坊?」なんて言いながら、もう慣れたように声を掛けてきた。
「あ、おはようFamily nameさん。体調大丈夫?」
「おはよ、委員長。大丈夫だよー」
委員長こと飛田祐は必ず私に体調を聞いてくる。ただの寝坊とかサボりなのに。だから、ごめんねを含めて「ありがとう」を伝えることにしている。
「おはよ、First nameちゃん」
「おはよー、心読みくーん」
隣の席の心読みくんに鞄を押し付けて、よっこらしょと席に着けば心読みくんに「あはは、おばさんだね」なんてあの馬鹿にした微笑みフェイスで毒吐かれた。
「あはは、相変わらず顔に似合わない毒舌。今日も絶好調だね、心読みくん」
「あはは、First nameちゃんこそ毎日毎日お寝坊さんだね。そんなに夜更かしして何してるのかなー?」
「あははは」
「あははは」
冷たい風が横切る風景に「お前らこえーよ」と持ち上げくんが引いていた。
現在初等部B組に在籍中。窓硝子に映るのは鏡に映った姿よりも幼い少女。只今絶賛十歳児やってます。
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