03
床に脱ぎ捨てられていた下着と制服を拾い上げて、のろのろと身に付けていく。
「はは、何この虚しい作業」
情事後シャワーを浴びない私。きっと彼はそんなことも知らないだろう。だって私が起きるころに彼はいたことがないのだから。
彼の温もりを少しでも感じていたい、消してしまいたくないなんて乙女みたいなこと考えたいる自分を鼻で笑った。
鏡に映る姿は大人の身体をしているがまだあどけなさが残る少女。これが本当の私。胸元に鈍く光る闇色の石をそっと撫で、彼、ペルソナの部屋を後にした。
[ 4/32 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]