08
「え、私、パス」
「えぇえええ!?」
「うっさ」
佐倉蜜柑がドッチボールをやろう!なんて言い出して、まんまと口車に乗せられた馬鹿どもたち。我関せずと漫画を読んでいたら佐倉蜜柑本人に見つかってしまい、この会話。
「なんでや!?」
「なんでって」
なんでそんなこと私がしなきゃいけないの?なんて本音では思っていても言ってしまうのは可愛いそうなんで。
「私、病弱なんで」
委員長の勝手な思い込みを使わせて頂くことにしてた。
「あ、そうやったな。それじゃあ、無理にさせるわけにもいかんか」
「ごめんよ、君たちの勇姿はここで見守ってるから」
元気良く手を振って教室を飛び出した佐倉蜜柑の背中に、ひらひらと手を振りかえした。
「随分、調子の良い嘘ね」
「あらあら、今井さんそんなの……」
今更じゃない?
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