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- ナノ -
07

本日は土曜日。つまり、合同学習の日だ。危険能力系には、あってないような授業だけど。


「あー、背中痛い」

「どうしたのー?」

「んー?ひーみーつー」

「ほらほら、ムッとしてないでさっさと移動しなさい。心読みくーん」


情事中に背中を引っ掻かれたなんて子どもに言えるわけない。


「あ、なぁ、First nameは何系なん?」


皆から能力別クラスについて教えてもらっていた佐倉蜜柑が絡んできた。


「は?ちょっと」

「駄目だよー。First nameちゃんのこと呼び捨てするなんてー。僕だってFirst nameちゃんて読んでるのにー」

「え、そうなん?」


気安く名前を呼ぶなと言おうと思ったら、何やら心読みくんがジェラシーを出してきた。


「そう言えばFamily nameさんのこと名前で呼んでる人少ないよね」

「ま、古株の威厳かな。さーさ、皆散りなさい。てか、遅刻するよ」


委員長の言葉に適当に相槌をうち、急かせば皆一目散に各クラスへと散って行った。

私はA組の聖陽一ことヨウくんを迎えに行ってそのまま危力クラスに行った。


「あれ、ハヤテだけ?」

「おう、何か棗は急な任務とかでペルソナに連れてかれたらしー。あとノバラはしらん」


最後の言葉に不快を覚えて、八つ当たり程度に漫画に夢中なハヤテの頭を叩いてソファーに寝転がった。


「First name」

「ん?なーにヨウくん。ヨウくんも一緒にお昼寝する?」

「ん」


もぞもぞと胸元に擦り寄ってきたヨウくんの子供体温は温かくて、あっという間に夢の中へと旅立った。


「おい、First name。おい、そろそろ起きろ」

「ん、レイ?」

「は?」

「……ハヤテか。顔近いんですけど」

「何寝ぼけてんだよ。てか、お前本当よく寝るよなー」

「むむむ」

「ほら、授業時間は終わったぜ。ノバラ、お前もまだここいんのか?ペルソナ今日は来ないんじゃねーの?」

「あ、うん」

「のばら、来てたんだ」

「うん、おはよ。First nameちゃん」

「おはよ。これ、のばら?」


掛かっていたタオルケットを持ち上げて聞いてみれば、のばらはおどおどと頷いた。


「そっか、ありがとう」

「陽一起こすか?」

「いいよ。このまま部屋に送ってく」


すやすやと眠っているヨウくんを抱き上げた。十歳児の姿だと抱っこも一苦労だ。

こんな家族っぽい会話が、わりと好きだったり。

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