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03

頭にカエルの乗った神野先生に、あーあと零し苦笑しながらその一連を眺めていた。どうやら転校生はなかなかの問題児らしい。それ以前にこの年頃の特にアリスの子には転校生というものは受け入れ難いものがある。


「お前は星なしだ」


神野先生は転校生の子に星階級を告げた。クラスが一斉にざわつきだす。それは仕方ない。何たって、星なしだもの。

あーあ、星なしって。

それはもう虐めの域超えてるよななんて、やっぱり他人事のように私は笑った。


「あはは!星なしって!ちょーうけるー!」

「でしょ?私も笑っちゃった。神野先生粋なことするよねー」


危険能力の教室で今日あったことを皆に話せば、笑いが巻き起こる。ルイくんなんてお腹を抱えて笑ってるもの。


「なぁ、お前今日は任務ねぇのか?」

「うん、久しぶりのお休みー」


漫画から顔を上げたハヤテに答えて、パタリとソファーに横になる。二人がけのソファーを占拠して伸び伸びと手足を伸ばして脱力。久しぶりの開放感に思わず頬が緩む緩む緩む。


「こら、First name。女の子がはしたないわよ」

「ん、ありがとー」


スカートから覗く足にルナが、さっとタオルケットを掛けてくれた。


「寝るの?」

「ん、ペル、ソナが来たら……起こして……」


まるで意識がなくなるように寝息を立てたFirst nameにルナは呆れたように溜息を零したあと、タオルケットを掛け直した。


「疲れているようだな」


今まで黙っていたハジメが少女の姿をジッと見つめたまま言った。ハヤテもそれにならうように少女を見る。


「当たり前よ。まだこんなに小さくて女の子なのに、私たちの倍は働かされてるわ」


ルナは少女の顔にかかる髪をどけて、そのあどけない寝顔を見つめた。


「ペルソナのお気に入りだからな」


「それだけじゃないわ」と小さく零した声はルナ自身にしか聞こえてはいなかった。この少女が私たちより多く任務をこなすのは、愛おしい人に捨てられないように、ただ必死なだけ。

可哀想な、First name。

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