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- ナノ -
07

大海原に白ひげの豪快な笑い声が響き渡る。


「よくやったぜぇ、First name。今夜も宴だ。グララララ!」

「で、First nameの能力は何なんだよー!」


ぶーぶー、言ってるサッチのリーゼントが揺れてる。


「風か、ロギア系だな」


冷静に言ったのはイゾウ。何故だか、また隊長たちに囲まれている。すごく居心地が悪い。


「First name、その力を生かすも殺すもお前次第だ。力を求めるならこれまで以上に腕を磨くんだな。グラララ!」


ロギア系の悪魔の実。名付けてビュンビュンの実なんてどうだろう。

飲んで食べて歌って笑って泣いて叫んで暴れて、楽しい愉快な宴。

星降る夜空に浮かぶ三日月。

静まり返った甲板にはゴロゴロと倒れているクルーたち。ナースたちが一人一人に毛布を掛けてあげている。毎回毎回ナースさんご苦労様です。


「First name、あなたも毛布いる?」

「わーい、エリザさんありがとう」


モフモフの毛布を体に巻きつける。うー、あったまる。

それにしても、せっかく静かで良い感じの夜だというのにクルーたちの酷いイビキでムードが台無しだ。

ホットココアを飲みながら空をジッと見つめる。

普通の……否、普通じゃないか。この世界の住人でもない人間が悪魔の実を食べちゃったよ。

でも、これで私は力をつけたわけだからそれなりに生きていけるだろう。

手のひらを天に向ける。ちょっと集中してみたら手のひらの上で小さな渦ができた。


「おぉ」


思わず感嘆の声を上げる。すっげ、やばーい。色んな技が次から次へと浮かんでくる。


「風か……」


パラミシア系やゾオン系よりも私に合ってる気がする。

ロギア系って確か体をそれに出来るんだよね?

ちょっとした好奇心。


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