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04

汗で重くなったバンダナを外す。隣で私と同じように大の字になって寝転ぶイエローが「あ、素顔だ」とか言っていたけど、しかと。

流れる汗が気持ち良いと感じるなんて運動部みたいだと自嘲が漏れる。だって、ありえないでしょ。誰よりも汗かくのが嫌いだったのに。


「おう、やってるねぃ」

「マルコ隊長、ビスタ隊長」


だらけていた私とイエローは、さっと立ち上がって頭を下げた。レッドとグリーンも駆け寄ってくる。


「ははは、そんなに畏まらなくても良い」

「あ、じゃあ……」


お言葉に甘えてと言おうとしたらレッドの無言の張り手が後頭部を直撃した。


「お前ら鍛えんのは良いがよい。少しはクルーとしての仕事もして欲しいえねぇ」

「……あい」

「今の間は何だよぃ!」


四人は視線を四方に逸らした。


「まぁ、いいじゃないかマルコ。若いうちは我武者羅に鍛えるものだよ」

「ビスタ隊長分かってるー」


今度はマルコの拳骨が降ってきた。が、避けた。


「First name、避けるんじゃないよい」

「え、無理っす」


これも特訓の賜物だね、うん。


「……」


不死鳥VS能力不明の鬼ごっこが始まった。

ふと立ち止まる。


「何だ?もう観念かよい」

「……」


見上げた空は昨日と変わらずの晴天。雲一つない。


「……風が変わった」

「風?」


私に習ってマルコも天を仰ぐ。


「何にも感じねーが……」

「マルコ隊長?どうしたんすか」


レッド達が集まって来る。

何だろう、よく分からないけど。このまま船を進めちゃ行けない気がする。風が、いつも優しく頬撫でてくれる風が、おかしい。


「マルコ隊長」


私は空を見上げたまま言う。


「船の進路を変えて下さい」


何の証拠もないけど、ただ嫌な感じがするというだけだけど、この船は進路を変えるべきだ。


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