×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
19

船舶五日目、本日は親友三人と町にいます。

ちなみに昨日はナースさんたちと女子トークして穏やかな一日を過ごしました。微々ながらも女子力がアップした気がします。


「あーあ、First nameの喧嘩みたかったなー」

「まだ言ってんのかイエローは」


呆れた声で言うレッド。

てか喧嘩じゃないし、絡まれただけだから。


「だってFirst nameが強くなるってことは俺たちの何つーかよく分かんねーけど、やった感に繋がるだろ?」


まぁ、何を言いたいかはだいたい分かるよ。だいたいね。私が強くなるイコール俺のおかげってやつだろ?


「良かったね、First name。これでFirst nameも一人前の白ひげ海賊団の戦闘員て認められたんだしね」

「グリーン、ありがとう」


そう、私は戦闘員として白ひげ海賊団のクルーとして認められた。漫画を読んで知っていた通り白ひげ海賊団の皆は体に白ひげを象徴した刺青を入れている。

喧嘩して勝ったことを白ひげに告げ認められた証に私も彫ろうかなー、でもなーって考えていたら、白ひげが女がそんなもん入れんじゃねーってよく分からないお父さん根性だしてきて代わりとして与えられたのがこれ。

白ひげのマークが入ったバックル。前のデザインもすごく気に入っていたけど貰ったら嬉しくて嬉しくて、すぐ革の店に行って付け替えてもらった。


「何ニヤニヤしてんだキモチ悪ぃ」

「うっせー」


レッドの言葉に緩んでいた頬を引き締める。


「あれ?First name、そのバンダナ初めて見る柄だね」


よく気づいたグリーン。君は良い旦那さんになる。「そうか?」なんて言ってる黄色い頭の君は遊んで遊ばれて孤独な爺さんになるの確定。


「そーいや、First nameがバンダナ外してるとこあんま見たことねーな」


やな話題だね、レッド。赤の言葉に触発された緑と黄も「はっきり顔見たことない」とか「どんな顔だっけ?」とか言い出した。そして調子に乗ったのはこいつ、黄色い頭だ。


「外せ」

「嫌」

「外せよ」

「嫌」


しつこく付いてくるイエロー。君はストーカーか?イライラしてる時に、ふと目に付いた果物の山。


「おばちゃん、林檎一つ」

「あいよ」


シワシワの手に小銭を置いて適当に掴んだ林檎にそのままかぶり付いた。ちゃんと形を確認しとけば良かったなんて今更後悔したってしかたない。

ゴクリと喉がなり果実は体の中に入っていった。


「まずっ!?うぇえええ!!」


私の叫びに三人は目を見開いて駆け寄ってくる。


「First name、どうし……」


レッドは未だ私の手の中にある林檎のような果実を見て言葉を失った。


「お、お前それ食ったのか?」


恐る恐る聞いてくるイエロー。私は正直に頷く。分かる。分かるよ。君たちの顔から言いたいことが。


「First name、それ……」


驚きで言葉を紡げないグリーンに僭越ながら私が後を続けさせて頂きます。


「あ、悪魔の実?」


三人は揃って頷いた。

そして、ハラリとバンダナが外れた。


[ 79/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]