15
船舶三日目、本日はマルコとサッチと買い物です。
「First nameー!あそこの店が良い!」
「却下」
サッチの顔も見ないまま答える私。隣でマルコが「お前も懲りないねぇ」とサッチを慰めていた。
「隊長たちー、ここ入ります」
「おう、先入っとけ」
復活しないサッチに苦笑しながらそう言ったマルコの言葉に甘えて先に見せに入る。入った瞬間ずらりと並んだスカーフに目を奪われる。
お、これは良いバンダナになるぞ。どれも素敵で私好みの物ばかりで、ほとんどを籠に入れた。最近趣味がバンダナ集めになりつつある。それと金使いが荒くなった。だって白ひげがお小遣いいっぱいくれるんだもん。超良いパパ。
特訓のせいで切れたりダメになってしまった服が多いため総入れ替えの勢いで籠に入れていたら入って来た二人が唖然とした顔で見ていた。
ナイスタイミングの二人に荷物を押し付け「まだ買うのかよい」と言うマルコの言葉は聞かなかったことにした。
「まぁ、こんなもんかな」
最後に靴も底がすり減っていたためブーツを二つ買って終了した。
「あ、まだ買いたいから一度荷物置いてきて良いよ」
両肩にサンタクロース並みの袋を抱えた二人に、いけしゃあしゃあと告げた私は次の店に入って行った。
背後で叫んだ二人の声はもちろんシカトです。
機嫌悪そうに戻ってきた二人。ポッケに手をつっこんで歩く姿はまるでチンピラ。覇気飛ばしてんじゃねぇの?って程のオーラに多少ビビった私は取り合えず謝罪と感謝の言葉を述べた。
しかし、それぐらいじゃあ隊長たちの機嫌は直らず、どうしたもんかと思っていたところで入った店。サッチの機嫌が一気に直った。
「First nameっ、ここで買い物すんのか!?」
「うん」
女の子女の子した雰囲気の店にサッチのテンションが上がった。[ 75/350 ][*prev] [next#]
[目次]
[栞]