06
夏休みとは、人間をさらに駄目にすると思うのは私だけだろうか。
バイトもしてない、友達もいない、そんな私はただひたすら引きこもりに走るしかない。
一日の生活がベッドの上で済んでしまう私は、もう生きている価値はないのではないだろうか?否、いまさらか……。
私は、とっくに生きている価値が無かったじゃないか。
不意に壁一面の漫画に目を向ける。
あの子の気持ちも分からなくはない。こんなくだらない世界にいるぐらいなら漫画の世界に行きたい。
まぁ、行けたとしても村娘Dぐらいだろうけど……。
あぁ、頭の中まで汚染されてきてるなこれは。
そっと瞼を閉じて、相変わらずのジャパレゲに耳を傾ければ暑さも忘れ、世界を忘れることができる。
前に進むことも出来なければ、逃げることもできないなんて……神様はなんて非情なんだ。[ 6/350 ][*prev] [next#]
[目次]
[栞]