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もう一度持たせてもらった銃は確かに軽く、手にもしっくりと馴染んだ。最初に惹かれた物が良いというのは本当みたいだ。


「なんだ嬢ちゃんが持つなら丁度良い」

「ププッ、嬢ちゃんだって!お姉さん、First nameは男ですよ」


グリーンの言葉に驚愕した顔をするおばちゃん。哀れみの視線まで頂いた。


「First name、次はレッドのところに行ってナイフ選んできな。お姉さん、こいつのナイフも見てやってよ」


「任せな」と胸を叩いて言ったおばちゃんと一緒にレッドのところへ向かう。


「それにしても、あんた本当に男かい?」

「いえ、女っす」

「え?」


え、っておばちゃんそれはどっちに対しての驚きですか?


「海賊やってるもんで、男の方が何かと都合良いんですよ。気付かないあいつらも馬鹿ですが」

「あんた、苦労してるんだね」


涙ぐむおばちゃん。おばちゃん良い人!


「おう、First name。良いのあったか?」

「うん。そっちは?」

「いくつか選別しといた」


レッドが選別したナイフを、おばちゃんが見て満足そうに口の端を上げた。


「なかなか良い目利きだね。だけど、これはこの子には重すぎだし。こっちはこの子の手じゃグリップが持ちづらくないかい?」

「げっ、確かに。First name、お前手ぇ小さすぎ」

「これなんか良いね。軽いし刀身が少し長いからリーチがあっても届く。何より造った人とデザインの勝利だ」


有名な人が造ったのかな?と首を捻りながらそれを受け取れば、銃の時のように手に馴染む。


「どうやら決まりだね」

「レッド、おば……お姉さんありがとう!」


会計をしている間、三人はフラフラと店内を見ている。


「女同士のよしみだ。割安にしとくよ」

「うぅー、お姉さん大好き」

「ははは!よし。おまけを付けてやろう」


豪快に笑いなが店の奥に消えて行ったおばちゃん。その背中を見つめていたら何だかおばちゃんの昔の姿が浮かんできた。

今ではすっかり薄くなってしまったブロンドの髪を靡かせ銃や剣を操りながら戦う姿を。


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