09
うわぁ、すごいなー。確かに賑わってる。迷子にならないよう気を付けなければ。
「まずは腹ごしらえだな」
そう言ってスタスタ歩き出すイエローの後を追っかけるように付いていく。やはり、こちらの世界の風景は私からしたら新鮮なものばかりで、つい目が惹かれてしまう。
「おら、迷子になんぞ」
パシッとレッドに後頭部を叩かれ少しむくれながらも三人と逸れないように足を動かした。
「相変わらず、よく食べますね」
ガツガツと消えていく食べ物。すでにお腹がいっぱいになった私は水を飲みながら引いた視線を三人に向けていた。
「お前ぇは食わなすぎ。食うのも特訓だって言っただろう」
「そうだそうだ。だからお前は、そんなに細ぇんだ」
赤と黄の言葉を聞き流し、そっぽを向く。
これでも昔より食べるようになったんだい、ふん。
食事を終えプラプラゆったりとした歩調で歩く。
「どーする?」
「せっかく下りたんだしなー」
私の問いかけにレッドが頭の後ろで腕を組みながら応える。
「お前なんか欲しい物ねーの?」
「うーん、日用品は買い足さなければならぬ」
前を歩くグリーンとイエローがキャピキャピと騒いでる。女子高生みたいだ。
「確かに、それは俺もだ。まぁ、一週間は停泊するらしいからな。そこは焦んなくて良いだろ」
「だね」
だとしたら得にない。女物は一人じゃ不安だからマルコかサッチに付いてきてもらいたいし。
「武器」
「ん?」
「お前の武器見に行くか。うん、そーしよう」
勝手に自分の中で決まったらしいレッドは先を行く二人を呼び、私の手を引いて武器屋に向かった。[ 69/350 ][*prev] [next#]
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