×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
07

ナナちゃん、生きてるかな。不意に思い出した彼女の顔。

どこの船にいるんだろう。確か、ナナちゃんの好きキャラはエースとシャンクスとサンジとルーキーのローに……浮気症だったからな、私と違って。しかも定番キャラ。そういう意味でなら私の方がヲタクだったと思う。

まぁ、ルフィのとことか、ルーキーのところに飛ばされてたら可哀想だな。敵襲のない白ひげに拾われた私は運が良かった、うん。

今日も特訓の疲れからか考えているうちに、あっと言う間に睡魔に引きずり込まれた。

そして白の世界。

うわ、久々だな。そう言えば私、神様にバイバイしたんじゃなかったっけ?

相変わらずの眩しさに顔を歪めながら先を見据える。


「First name、久しいな」

「……」

「君は強さを求めたか。あの子は愛を求めた」

「あの子?」


誰のことを言っているのか分かる。きっと、否絶対ナナちゃんのことだ。


「その通り。彼女が君をこの世界に呼んだ」

「え、は?ちょっと待って。呼んだって何」

「彼女は迷い子に選ばれた。そして彼女が君のトリップを願ったんだ。そして私がそれを叶えた」


願った?つまり、つまり、私がこの世界にきたのは、ナナちゃんのせい?あの子のせいで私は……。

見つめる両手は赤い。

私は、あの子せいで人殺しになったんだ。

あの子のせいで、あの子の……せい?おかげ?

今の生活は、どう考えたって向こう世界よりも充実しているし、それに……。

三人の親友、マルコ、サッチ、白ひげ達の顔が浮かぶ。


「あの子のおかげ……か」


眩しい光が柔らかくなった。


「ねぇ、ナナちゃんに会える?」

「二人の運命が交わっているなら」

「なんだそれ、また運命かよ」


いい加減にしてくれ。それに……。


「私だって愛が欲しい」


小さく呟いた私の声を神は叶えてくれるのだろうか。


[ 67/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]