06
うげ、今日もサラダが血の味がする。
嫌いな紫玉ねぎをイエローの皿に避けながら三人の会話に耳を傾ける。
「航路、今んとこ問題なしだって」
「いやー久しぶりの島だよなー。誰かさんのおかげで一ヶ月が一年ぐらい長く感じたぜ」
誰かさんて私ですかレッドさん。
「やっと女とヤれるー。幸せだー。あ、やべ想像しただけで興奮してきた」
「イエローきもい」
「何だよ、First name。男だったら誰だって、って何俺んとこにタマネギ置いてんだよ!」
「知らないの?タマネギって精力剤なんだよ。明日のイエロー息子が行為の途中で中折れしないようにと思ってあげたんじゃん」
「そうか、俺のことを思って……俺の息子は中折れする程ヤワじゃねー!」
「イエローの息子なんて、どーでもいい」
くだらない会話に華を咲かせる。幸せじゃないか。
「ねぇ、そういえば敵襲とかってないんだね」
「はぁああ?」
前から思っていた疑問を口にすれば三人に心底バカだなみたいな顔された。心外だ。何よりイエローに馬鹿にされて心外だ。
「First name、君は誰の船に乗ってるか分かってる?」
グリーン、それぐらい知ってるさ。
「白ひげ」
「そう、白ひげ海賊団。分かった?」
「え」
何が?
「親父の船を襲う馬鹿なんているわけねーだろーが」
あ、なるほど。そうだよね、何たってあの白ひげ海賊団だもんね。そこんところ忘れてたよ。[ 66/350 ][*prev] [next#]
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