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05

まともな組み手に入るまで、なんと三週間も掛かった。それまでの間、名付けてベリースロー組み手の日々。相当三人を苛立たせたが、根気よく付き合ってくれていた三人に何度礼を言っても言い切れない。


「First name、休憩終わり。次は僕と射撃訓練」

「えー」

「えー、じゃないの」

「だって、さっきレッドにボコボコにされたところだよ?」

「そんだけ喋れれば十分」

「はーい」


口の中が切れて鉄の味がする。最後にと水を含み、ぐちゅぐちゅと口をすすいで海に向かって吐き出した後グリーンの後に続いた。

特訓を始めて早三ヶ月。体は生傷、痣だらけ。しかも顔にもある。まぁ、私が女だということが未だにバレないという奇跡のせいでもありますが、お嫁にいけるか心配です。

最近では気絶して医務室に運ばれることもなくなった。つい一ヶ月前までは日常茶飯事だったけど。ドクターに「普通の女の子だったのにな」と過去形で慰められました。

良いことが一つ。私痩せました。筋肉つきました。鏡で見た自分の姿に驚愕です。まぁ、同時に傷やら痣を見て落ち込むんだけど。

一度ヤバイ時があった。レッドのナイフがザックリ刺さっちゃって、白ひげ直々に大目玉を食らった。


「よし、いつも通り百発撃ちね」

「了解。ってあれ?そろそろ弾数ヤバイよ、グリーン」

「うわ、本当だ。じゃあ今日は五十発。明日、島に着くらしいからそこで補充しよう」

「えっ、島着くの?やった!」


一ヶ月振りの島にテンションの上がった私は五十発全弾命中。さすが、私。昔から射的とか得意だったんだよね。動く的でやったことはないから実戦でどうなるか分からないけど、接近線よりは確実に良いと思われる。


「おーい、二人とも飯だってさ」


レッドの声に気付けば、いつの間にか沈んだ太陽。この世界で三ヶ月。何が一番変わったって親友が三人できたことだ。


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