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04

只今、イエローに殴り合い?を教わってます。やってるうちに、あぁ、格闘技でも何でもないんだ。本当にこの人達喧嘩してんだ。と呆れた。


「違う違う、敵が右手でパンチしてきたら、こう避けて」


敵役にレッドさん参戦。


「こう?」

「そうそう、First nameは小さいから大抵の敵は自分より力あると思った方が良い。だから間違ってもかっこ良くパンチを掴んでやろうとか思わないこと。避けるべし!」

「な、なるほど」


イエローにしては、まともな指導だ。特技は寝技とか言ったことを忘れてあげよう。


「で、避けたらそのまま肋骨めがけてパンチしたり膝蹴りしたり適当に。はい、やってみよう」


適当って……。

若干心配になりつつも言われた通りレッドと場所を交代する。そして、三分後ノックアウトされた私がドクターのところに運び込まれたのは言わずもがな。


「いってー」

「そりゃー顔面にパンチくらえばなー」


目が覚めた私は医務室にいるわけで、カーテン越しにドクターの声がする。きっとまたエロ本でも読んでるのだろう。


「頭ぐらぐらする」

「軽ーい脳震盪だ。もうちっと寝とけ」


ドクターの言葉をありがたく受け入れる前に一つ確認しなければならない。シャッと引いたカーテンの向こうには、やっぱりエロ本見ながら鼻の下を伸ばしてるドクターがいた。


「あ?寝とけっていったろ」

「うん、寝る。その前に私の鼻は無事ですか?」


一応女だ。鼻が曲がったら、さすがの私もへこむ。


「あー無事だ無事。あんな、へなちょこパンチでどうにかなるわけないだろ」


そのへなちょこパンチで私気絶したんですが。


「お言葉に甘えて寝かして頂きます」

「おう、濡れた枕カバーはきちんと洗濯だしとけよ」

「わがっでばすよう!」


開けたときよりも乱暴に閉めたカーテン。何が悲しくて流れているのか分からない涙。

あぁ、無力な自分が情けなすぎて、悔しんだ。


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