×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
19

グララララッじゃないし、笑い事じゃないし
、てか今まで言わないでおいたけど笑い方変だし。


「という訳で私、戦闘員になろーと思う」

「……」

「白ひげ、あなたはどう思いますか」

「First name、お前は女だ。男と偽ってるようだがな」

「何言ってんの白ひげ。今どき海賊に男も女もない、でしょ?」


ペチペチッと胸板を叩けば、またグラグラ笑われた。


「なんのために戦う?」

「え」

「人を一人殺して怯えていたお前が、その手を血で染めれるのかぁ?」

「……別に、別に誰かを殺すために戦闘員になりたい訳じゃない」


ぎゅっと拳を握り唇を噛み締める。

だからといって誰かを護るために戦闘員になりたいとか、強くなりたいとか、そんな綺麗事は言わないけど……。

せめて、せめて自分の身を守れるぐらいには、せめて自分を抑えられるぐらいには……なによりも、さっき見た夢が現実にならないように。


「グララララ!わぁかった!おめぇだって俺の家族だぁ!戦闘ぐらいできるようになってもらわなきゃなぁ!」

「戦闘ぐらいって……」


軽く言ってくれちゃって、これでも私自慢じゃないけど、運動神経皆無なんよね。

いっそのこと悪魔の実とか食べちゃおうかな。そしたら運動神経無くてもちょっとは、てかそんじょそこらのヤツより強くなっちゃうんじゃね?

まぁ、そんな簡単に悪魔の実なんて手に入らないだろーけど。


「そうと決まったら明日から若い衆と一緒に鍛えろぉ」

「うん、レッドたちに混ざる」


話が終れば白ひげの膝から飛び降りる。


「First name」

「ん?」

「てめぇでマルコに報告しろよ」

「……はい」


白ひげがグラグラ笑う声がいつまでも船長室に響いた。気がした。


[ 59/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]