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んはっ、サッチのデミグラスソースハンバーグ最高!神的味だよ!


「おい、聞いてんのかコラ」

「え、何が」


ハムッとフォークを食わえたまま目の前に座るレッドに向けて首を傾げる。


「何が?じゃねーよ。お前、武器はどーした。武器は」

「……ない」

「……素手主義なのか?」

「……まさか」


そんな痛くて怖いことできるわけないやん。


「……お前、戦闘員じゃねーの?」

「……知らん」


三人に何やら疑いの眼差しを送られる。

うっ、美味しいハンバーグが不味くなってきたぞ。


「知らんてなんだし」

「イエローくん、知らないって意味だよ」

「そんなこと分かってるわ!」


そ、そんなに怒鳴らなくても良いじゃないか。

ビクッと肩を揺らした後、私はムスッとして俯いた。

だってだって、マルコにも白ひげにも戦えなんて言われてないもん。

不意に真っ赤に染まる掌が脳裏に過る。今でも鮮明に思い出すことのできる、この世界に来て初めて出会った人だった人。

そして私が殺した人の血飛沫。


「うえっ」


今にも吐きそうな表現をした私に三人はギョッとした顔になり慌てふためいた。


「おい、大丈夫かよい」

「……マルコ、たいちょ」

『マルコ隊長!』


あー、うー、ただ船に乗っているだけじゃ駄目なんだ。

傍観者は駄目なの?

私はどうしたら……ななちゃん、君は今どーしてる?戦ってる?守られてる?それとも……死んでる?


―――――― ドクッ


心臓が大きく波打つ。

フラッシュバックのように私の頭の中に流れ込む、彼女の泣き顔、恐怖に強ばる顔、もたつきながらも逃げる後ろ姿、そして横たわる体。

そこに佇む私、あの屍とななちゃんの姿が重なる。

手に固く握り締めていたのは真っ赤な血の滴る……。


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