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いやー、暑い中よくやるなー。

私は甲板の日陰の所で若い衆が肉体美を晒し……じゃなくて汗水流してトレーニングしている姿を眺めている。

もちろん、その中には信号トリオもいるわけで私も道連れにされたのだ。だがしかし、私が戦闘なんてできるわけないし、武器はないし、だからといって今レッドとグリーンがしてるみたいな素手でなんて、ちょー無理。

という訳で私は先程からこの日陰でボーッとしてます。はっきり言って暇です。

一つ欠伸をして空を見上げれば今日も今日とて雲一つない快晴。

このまま昼寝でもするか、と体をごろんと倒せば睡魔はすぐに襲って来て、喧騒が遠くに聞こえてしまうほど、あっという間に夢の世界へと引き寄せられた。

のどかな一日に乾杯。


時は過ぎ日が沈みかけた頃。


「あれ?そーいやFirst nameは?」


汗を拭いながら言ったレッドの言葉にイエローとグリーンは「あ」と声を揃えた。

皆、どうやらトレーニングに夢中で存在を忘れていたらしい。


「いた。あれじゃない?」


キョロキョロ辺りを見渡したグリーンが隅っこで小さく丸まっている陰に気付いた。


「おー、そーだそーだ。って、あいつまさかずっとあそこにいたんじゃねーだろな?」


イエローが呆れつつも近付いて行けば、どうやら熟睡しているようだ。おいおい、敵だったらどーすんだこいつとイエローは苦笑した。


「どーしたの?イエロー」

「駄目だ、こいつ。爆睡してやがる」


グリーンの問い掛けに首を振りながら腰を下ろせばコツンと腰の獲物が床にあたる。


「……おい、こいつが武器持ってるとこ見たことあるか?」

「え?」


イエローのさっきまでとは違う声色にグリーンは首を傾げる。


「見たことねー」


レッドもどうやらイエローの問いの意味に気付いたらしい。


「First nameって戦闘員じゃないの?」


キョトンとした顔のグリーンのにイエローとレッドは分からないという意味を込めて首を振り、そのあと数分三人は小さく丸まった華奢な姿を見下ろしていた。


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