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13

女の花園から甲板に出れば、すっかり太陽は沈み暗闇に包まれていた。今日も空は満天の星空。なんだか胸騒ぎがする。夜になっても自分の姿を隠してくれないなんて……。


「あら、船員さん?」


ぼんやり空を仰いでいたら声を掛けられた。女の声だったからナースかと思ったが、よく考えればナースが私を船員さん、なんて呼ぶはずがなかった。

げっ。


「随分、若そうな船員さんねぇ」

「ほんと、あなた幾つ?」

「やだ!ちょっと可愛くない!?」


なんかうざいの来たー。まさに夜の女ですみたいな服を着た女が三人。おねーさん肩紐落ちてますよ。胸ポロリしそーですよ。


「十八ですが……」

「十八!?おいしそー!ねぇ、部屋ど……」

「すいません。僕、女の人には興味ないでっ」

『え』

「じゃっ、そゆことで」


呆然とする女たちに向かって口元に弧を描いた。隠れた目元は一ミリも笑っていないけど。

スタスタと船内に戻れば扉が閉まる直前になにやら女たちがギャーギャー言ってる声が聞こえたけど気にしない。

耳障りすぎて、うざい。耳が腐ったらどーしてくれるんだ。


「First name」

「あ、マルコ」

「隊長を付けろよい」

「はいはい」


現れた隊長マルコ。どっから湧いて出たんだ。そして出会って早々、溜め息を二回も吐かれた。


「どこに行ってたんだい?」

「えー、秘密」

「仕事は?」

「終わりましたよー」

「だったら報告しに来いよい」


むっ、女としけこんでた奴に言われなくない。


「どーもすみませんでした。以後、気を付けます」


謝罪の言葉を投げやりに言い、マルコの目から視線を逸らして足早に通り過ぎようとしたら擦れ違い様に腕を掴まれた。


「First name?」


なんかよーですか?汚い手で触らないで下さい。って心の中で悪態吐いた。


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