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02

私の分までトレーを片付けてくれた紳士なマルコに礼を述べ自室へとのんびり歩きながら戻る。


「じゃあな、仕度が済んだらさっさと甲板出て来いよい」

「りょーかいでーす」


仕度と言っても特に化粧するわけでもないので最低限必要な物が入っているバックを掴み足早に甲板へと向かった。


「おう、First name。早かったな」

「ん、別に特にすることないから」


町に出ない居残り組の男達がいるなかで、きょろきょろとマルコを探せば向こうが見つけてくれた。


「午後からは俺も出航の準備手伝わなきゃならねぇから、午前中で済ませられるかい?」


頷いて了承の意を示し、いざ甲板から下りようとした時、首に圧迫感が生じた。


「うっ!」

「よぉ、First name!俺達は出航の準備で居残りだってーのに、お前は隊長と街へ遊びに行くのか?」

「レッド、くーるーしーいー」

「土産買って来いよー」

「俺、パフェがいい!」


背後からヘッドロックかましてきたのは一番隊の一番下っぱの赤い髪をしたレッド、そして黄色い髪のイエロー、緑色の髪のグリーン、信号機トリオだった。


「えー、めんど。てかグリーン、パフェって無理だろ」

「えー」

「えーじゃない、えーじゃ……」

「あ、じゃあ俺、夜の慰み物がいいなー」


ニヤニヤした顔で肩に腕を回してきたのは太陽に反射して眩しい黄色い髪の持ち主イエロー。


「は?やだし」

「あ?何でだよ」

「だって必要ないし」

「必要ねー訳ねーだろ。ねーマルコ隊長ー」

「必要ねーよい。それより早く行くぞ、First name」

「はーい。じゃっ、信号トリオはお留守番頑張って」


にっこり笑って手を振ったらマルコが待ちきれなかったのか私を俵みたいに腰に抱き船からジャンピングした。

絶叫したのは言うまでもない。


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