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その登場に誰もが疑問を覚えた。ただ、言葉にできなかったのは、First nameを抱くクロコダイルの姿があまりにも、あまりにも、悲壮を纏っていたからだろうか。


「くっ、ルフィくん、エースさん!今は逃げるんだ!」


ジンベエの言葉にルフィは立ち上がるも、エースは膝をついたままだった。


「エース!」

「ルフィ、先に行け」

「何言って」

「First nameは、俺の姉ちゃんなんだ。大事な家族なんだ。その家族をやられて、黙ってられるか!」

「馬鹿野郎!」

「……ッ、イエロー?」

「First nameが大事なのはお前だけじゃねぇんだよ!今、ここで!エース!お前が助からなかったら!First nameは!First nameは何のために!」

「……ッ」

「盛り上がってるところ悪いが、誰一人逃すつもりはないんじゃが」


赤犬の声にトリオ、エースはハッとする。


「エース、死ぬ気で逃げろ」

「レッド」

「First nameちゃんをドクターのところに頼んだよ」

「グリーン」

「エース、ここは兄ちゃんたちに任せな」

「イエロー」


馬鹿やって笑いあった日々が走馬灯のように横切った。


「ルフィ!行くぞ!」

「あぁ!」


エースは前を向くために背を向けた。


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