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「あ?もういいのか?」
「いやー、さすがに男物のベルトや靴は大きくて無理そうでした。申し訳ないんですが、もう一軒良いっすか?」
「分かった。外にサッチいるだろうから先行ってろい。会計もう少しかかる」
「りょーかい。斜め前の店にいるんで、お願いします」
服を頼んだ私は、お金を半分貰って外へ出た。
「サッチたいちょー」
「お、来たか!」
サッチは店の前でヤンキー座りしていた。もうどこからどーみても不良だね。
「会計してるから先に次の店行ってろってマルコ隊長が」
ってあれ?サッチ隊長いつの間に買い物しに行ったんだ?
サッチが抱えている袋に首を傾げながら次の店へと向かった。
「これはこれは!?」
女の子の店に入ったからか興奮したサッチをまた放置して小物を次々に選び、ついでに下着も選んだ。
マルコとも合流した私たちは、ちょっと休憩と三人仲良く並んでアイスクリームを舐めていた。
「いやー、こんなに買ったのにまだお金あるって幸せですね」
「First nameちゃん、女の子なのに買い物早いんだね」
「そう?」
てか、こんだけお金があれば悩む必要とかないと思う。
「あ、髪切りたいんだった」
「髪?だったらそこじゃない?俺らここで休んでるから行ってきなよ」
「すいません。荷物もお願いします」
「はいはーい」
隊長二人に荷物番させるとか、絶対安全だね。
それより一人になった私は、さっそく不安に駈られた。振り返れば二人が話している姿が見える。安堵した私は美容院らしきその店へと足を踏み入れた。[ 34/350 ][*prev] [next#]
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