×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
15

「あ、お前……」


エースはルフィの声で我に返った。


「う、あ、First name!!」


なんだ、なんだこれは。何故、何故、彼女が。どうして、どうして、どうして!?


「First name!しっかりしろ!」


揺さぶってもその目は固く閉ざされ開くことはなかった。ふと、胸元に見えたのは自分が彼女につけた火傷の痕。


「あ、あ、嘘だろ?First name、目を開けてくれよ。何で、お前、何で、何で」

「ふん、馬鹿な娘だ」

「……ッ、赤犬!」


エースはFirst nameを腕に、赤犬を睨み上げる。


「女だぞ!」

「海賊だ」


赤犬の目は、その能力とは反対にどこまでも冷え切っていた。


「First nameちゃん!」

「First name!」

「おい!エース!First nameを!」


いつもFirst nameを護るように側にいた三人が駆け寄り、膝をつく。


「おい!First name!First name!?」

「何これ、嘘でしょ。First nameちゃん!?」


イエローがエースの腕からFirst nameを奪い、揺さぶる。力なく揺れるFirst name。グリーンは唖然とし、その頬を涙が伝った。


「よくも、赤犬!First nameは、First nameは腹にガキがいたんだぞ!」

「え」


レッドの声にエースはFirst nameの腹に視線を向けた。確かにそこには、なだらかな膨らみがあった。


「そん、な」


エースが、弱々しく手を伸ばした時、砂塵が舞った。


「……First name」


イエローの腕の中にいたはずのFirst nameは、今はクロコダイルの腕の中にいた。


[ 339/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]