03
消したくても消せないページがあるんだ。いっそ、破り捨ててしまおうかとさえ思ったあの頃、今やっと現実が追いついた。
「おれの愛する息子は無事なんだろうな」
白ひげの背中はいつだって大きい。きっとそう思っているのは私だけじゃないんだ。だから、私はいつまでもこの大きな背中を見ていられるように、今、前を向くよ。
「エース」
真っ直ぐ、視線の先、処刑台の上にエースはいた。私の弟、私の家族だ。
さぁ、今、あのページを破り捨ててやろう。[ 327/350 ][*prev] [next#]
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