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レベル4へ向かう階段。クロコダイルは砂となり、その隣を兎少年がぴょこぴょこと飛び跳ねている。
「何だお前、うさぎか!?」
「うん!僕、ウサウサの実の能力者!」
麦わらが早速興味を示したようだ。こいつの仲間にはペットがいるからな。こういう妙な輩は興味の対象なのだろう。
「今、朝十時前。処刑は午後三時!その時刻には処刑は必ず執行される!『白ひげ』のオヤジが来るとすればその何時間も前に仕掛けるはず!エースさんはもう海の上、戦いはいつ始まってもおかしくない」
「三時まで殺されることはねぇんだな!とにかく!まだまだチャンスはある!」
随分とお気楽な頭だ。相手は海軍だ。海賊相手に時間なんぞ守る義理はない。
「ふん、扉なんざ無意味。この右手は乾きを与える」
階段の先に見えた扉にクロコダイルはそっと触れた。そして、扉は跡形もなく砂と化するのだった。
こんな渇ききった俺を潤してくれたのは、あいつだけだ。
ーーーレベル4
「三日月形砂丘」
久しぶりの戦闘に高揚が止められない。ふと気になって隣を見れば兎少年はぴょこぴょこと飛び跳ねながら「兎忍法!」なんて叫びながら戦っている。いらぬ心配だったらしい。
「行くぞ!海軍本部!!!」
誰にも止められはしない。こうなってしまえば、あとは時の流れに身をまかせるしかない。
「兎忍法!うささび!」
何だか緊張感のない連れにクロコダイルは何とも言えない顔をするのだった。[ 319/350 ][*prev] [next#]
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