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「ふざけんな!お前はビビの国をメチャクチャにした奴だ!」

「昔の話だ。あの国にはもう興味ねぇよ」


クロコダイルは小さくため息を吐いた。格子越しに俺を見上げる麦わらに小さい男だと思う。

どうでも良い。それよりも俺はここを出たい。真っ直ぐな麦わらの目に上手く事を運ぶ策はねぇかと苛立った時。


「解放しましょう麦わらボーイ。確かにこいつがいれば、相当な戦力になる。ヴァナタはの止まらない。『海軍本部』に行くなら尚更よ」

「イワンコフ……ッ」


嫌な奴だ。


「お久しぶりだわねぇ、クロコボーイ?」

「何だ知ってんのか!?」


麦わらがイワンコフに聞く。


「ちょっと昔ね。こいつがまだルーキーと呼ばれた時代。大丈夫よ、万が一ヴァターシ達。裏切るような行動に出てもヴァターシが抑え込むから。一切、信用できないけど」


イワンコフが得意げに笑い、その笑みを楽しそうに広げる。


「んーふふふ、ヴァターシはこいつの弱みを一つ握ってる。大人しく力だけ貸すのなら、黙っててあげるけどヒーハー!」

「貴様……ッ」


ギリッとクロコダイルは奥歯を鳴らした。

ただクロコダイルは馬鹿ではない。それに戦争に興味があるのは事実だが、今はそんなことよりも。


「さぁてこうなったら時間がナッサブル!力技でこの監獄を突破するわよぉおお!ヒーハー!」

「白ひげのオヤジさんには手出しさせんぞクロコダイル!」

「どうでもいい」

「は?」


ジンベエの言葉にポロリと溢れた本音。そういえばあいつはこいつとも知り合いだと言っていたな。


「おい」

「何じゃ」

「お前ジンベエザメ呼べるのか?」

「は?」


乗せてもらえなかったって不貞腐れたように頬を膨らませたあいつの顔を思い出して、緩んだ口元。それを怪訝な顔でジンベエは見、イワンコフは何かを察するように目を細めたのだ。


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