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05

白ひげ海賊団二番隊隊長『火拳のエース』大監獄『インペルダウン』へ幽閉。その記事が出てから公開処刑の記事が出るまでのスパンが、あっという間だった。
そして私は呼び出された。


「お呼びでしょーか?」


船長室に入れば各隊長と泣き顔のアイがいた。


「アイちゃん、また泣きベソかいたの?」

「First name、お前も知ってたのかい?」


何を、なんて言うまでもなかった。


「はい、知ってましたよ」

「だったら!何で!」

「そんなこと!そんなこと言えるわけないじゃない!あなたは海軍に捕まります!だから航海にでるな!?そんなこと言えるわけない!エースも!私も!マルコだって!ここにいるみんな!」


海賊じゃない!!


「先のみえる冒険なんてしない!そんなの海賊じゃない!海賊は誰よりも自由で!誰よりも夢を持った人の集まりでしょ!そうでしょっ!?……ッ、はぁ、はぁ、エースは、エースは、そんなことを言って旅を止めるような奴じゃない。エースは!そんなことで仲間の!家族の敵討ちを止めるような弱い奴じゃない!……う、ッーー」


First nameはお腹を押さえ崩れるように蹲った。


「First nameさん!?」


駆け寄ってきたアイ。


「そんなことで、そんなことで、アイちゃん泣かせたならマルコ、許さないから」

「チッ……隊長だろい」

「First nameさん!大丈夫ですか!?すぐに医務室に!」

「あはは、大丈夫。ちょっと興奮したから僕くん驚いちゃったのかな?」

「そんな、マルコ!」

「あぁ。親父すまねぇな」

「馬鹿野郎、喧嘩するのが兄弟だろうが。First nameをドミルコに診てもらえ」



白ひげはどこか嬉しそうに少女の、否、少女だった背中を見送った。

随分と成長したもんだ。海賊らしく。あの自分を見て驚きに目を見開いていた少女が、今やこの強者ども中で声を上げれるほどになるとは。こんな嬉しいことはない。


「俺も歳をとるわけだな!グラララララ!」


自身の老いを嬉しそうに笑い飛ばす白ひげに隊長らは少し不安げに笑った。


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