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14

生暖かい風が頬を撫でる。海鳥が随分と低く飛行していた。こんなにも良い天気なのに、これから荒れるようだ。


「First nameー!」


甲板で寝転んでいたら、見張り台からレッドの声が降ってきた。声を張り上げて返事しても良いが、疲れそうなので風になって見張り台まで上がった。


「何?」

「見ろ、島だ」

「島!」


にやりと笑いながら差し出された双眼鏡を奪い取って覗き込んだ。そこには紛れもなく緑茂った島が映っていた。


「島だ!レッド!島!」

「久々のあれ、やらせてやるよ」

「まじ!?」


レッド良い奴と抱き着き、私はお腹いっぱいに空気を吸い込んだ。


「しーまーがー見ーえーたーぞー!!」


甲高い声で叫べば、歓喜の声が返って来る。何度やっても、このワクワクはたまらない。


「あっははは!相変わらず、声通らねぇなー!」

「うるさい!」

「お手本見せてやる」


言うだけあってレッドの「島が見えたぞ」は船一杯に広がって、私が言った時の数倍歓喜の声が返ってきた。


「むう」

「ははっ。帰って来て初の島だな」

「……うん」


待ち遠しく島を見つめた。今度は、どんな冒険が待ってるんだろうと。まさか、あんなことになるとは思いもしなかった。


「近寄らないで!お腹の子供がどうなっても良いの!?」


First nameはナイフを高く構えて叫んだ。一同は、ごくりと固唾を呑み動けずにいた。

嵐が島に到着していた。船は出ない。閉じ込められた島で何が起こったのか。


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