05
宴の準備ができたと迎えに来た人物に少なからず驚いた。
「First nameさん」
「あ、アイちゃん、おっひさー」
「うぅうううう、First nameさぁん!」
がばちょと抱き付いてきたアイちゃんを思わず、いや本当に反射的な避けてしまった。床に手を突いてぽかんとするアイちゃん。
「First nameさん、ひどい!」
「あはは、つい」
「私、私、First nameさんに会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて……」
「やだ、アイちゃん。なんかレズっぽい」
「ひ、ひどすぎる!」
うん、アイちゃん。何だか君、逞しくなったみたいだね。昔より良いキャラしてるよ。
「First name、その辺にしとけ」
「だって、ドクター。アイちゃん、可愛ゆす」
「おま……性格悪くなってねぇか?」
「そんなことないっすよ?」
少しばかり彼の意地悪さがうつってるかもしれないけれど。
「あ、First nameさん!これ!」
「え、あ、手配書?」
「おめでとうございます?」
「は?あ、金額上がってる」
うぉい、なかなかの金額じゃないか。てか、彼越しちゃったよ。
「お前、そんな体であんなことやったのか?」
「あはは、カチンときちゃって」
「馬鹿野郎が。この船に戻ってきた以上、好き勝手させねぇからな」
「……あい」
軽い軟禁生活を想像して苦笑するしかなかった。
「ほら、いきますよ!皆、待ってますから!」
「はいはい、ドクターも一緒に行きましょう」
「あ?あぁ、俺はちっと仕事してからいくわ」
「そうですか?」
ちょっと疑問を持ったが愛ちゃんの腕に引かれ追求できずに医務室を後にした。[ 285/350 ][*prev] [next#]
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