×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
05



「あははははっ!」


あー、最高!やっぱり海賊はこうじゃないとね。


「First name」

「早く行きなよ。弟くんが待ってるんでしょ?」

「俺は今、ティーチを追ってる」

「うん」


青い空に真っ白な雲。陰気な話をするには似合わない空だ。それに、あまりエースを引き止めると支障がでるかもしれない。


「エース。今、長々と話をしている時間はないの。あなたにも、私にも。良い?約束。私が船を離れてからの冒険をいつか必ず話すから、エースは私がいなくなってからのことを話すこと。分かった?」

「あぁ、分かったよ」

「約束」

「約束だ」


テンガロンハットで顔を隠すように俯いたエース。顔が見たい。私は気付いたらエースの手を払いテンガロンハットを奪っていた。


「First name?」

「だめ!」

「え」

「ちゃんと私の目を見て!約束して!」

「First name……」

「破ったら許さないから……ッ」


あれ?どうしたんだろう。感情が昂ぶってる。抑えられない。抑えられないよ。

私はエースに抱き付いた。


「First name、お前……」

「私が護るから、次は絶対護るから!だから……」


続きを紡ぐことはできなかった。言ってはいけない。未来を知ってしまったら、それはその人が選んだ道ではなくなってしまう。


「約束!分かった?」

「あ、あぁ、約束だ」

「よし、行け!」


エースの太陽みたいな笑顔が見れて私の気持ちは少しだけ晴れた。

あぁ、こんなところクロコダイルさんに見られたら怒られちゃうな。今度は何だか後ろめたい気持ちになってしまった。


[ 255/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]