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04

空から探せばすぐだ。蟻んこのような海軍達が向かう先へと私も風になり追いかける。そして前方で火の手が上がった。

あぁ、ちょっと出遅れてしまったかな。下がる気持ちを振り切って私はテンガロンハット姿の懐かしい弟の胸に飛び込んだ。


「エースー!」

「え?うわっ!」


飛び込んだというより墜落した私をしっかりと受け止めてくれたエース。さすが我が弟。


「おっひさー」

「……え、あ、First name!?」

「はーい。First nameでーす」


尻餅付いたエースの上に馬乗り状態の私。呑気に片手を挙げて返事をしてみせた。目をくりっくりにさせて驚いているエースの顔は最高にうける。


「な、な、なんでここに?」

「まぁ、そういう話は置いておいて。ほら、怖ーいおじさんがこっち睨んでる」


エースの首に手を回したまま振り返れば葉巻を二本咥えた白猟のスモーカーがいた。


「そんなに葉巻吸ったら肺癌で死んじゃいますよ?」

「てめぇは……」


私はエースの上から降り、マントのフードを外した。そして見せびらかすようにバックルに手を掛ける。


「白ひげ海賊団、一番隊の平隊員ですけど何か?」

「風来のFirst nameか」

「うっわー!スモーカー大佐に知ってもらえてるなんて感激!」

「ついでだ、お前も捕まえてやるよ」

「あはは、素敵なお誘いですけど遠慮しときます。私、オジサンはオジサンでも……」


にやりと口元が弧を描く。


「もっと年上が好みなんで!エース!」

「おうよ!」


弟の背中を叩けば、任せろと返事が返ってくる。エースの炎上網に私が手を貸せば、さらに火は燃え盛る。

離れていても私たちの阿吽の呼吸は乱れていない。


「じゃあね、大佐」

「待ちやがれ!」

「やなこった!」


高笑い。こんな愉快な笑い声を彼は聞いたことあったかな。


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