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01

あぁ、怠い。気持ち悪い。食べ物なんて見ただけで吐きそうだ。そんな感じで、ほぼ丸二日は飲まず食わず。あはは、このままじゃ餓死だ。点滴でもしてもらいたい。

ふと、ドクターやナースの顔が浮かんできた。すると必然的に仲間達の顔が次々に思い出されてくる。

白ひげが知ったらなんて言われるだろう。怒るかな?孫ができたって喜んでくれるかな。

あれ?何、私。産む気でいるの?

あー、だめだ。本当にだめだ。このままじゃ……。目を閉じてお腹に触れる。

お腹の子供にも、栄養はいかないよね。栄養がいかなかったらどうなる?死んじゃう?

頭の中で二文字の漢字が浮かんだ。

はっとした。この子を殺したら私は……。だめだ。もう駄目だ。人間だと、自分の子供だと認識してしまっている。もう、堕ろせない。

覚悟したように瞼を、押し上げる。

とにかく、もうすぐ彼らがやってくるんだ。大丈夫。まだお腹は大きくならないだろうし、アラバスタ篇も漫画だと長く感じたけれど数日で終わる。大丈夫。

主人公たちに会えることを期待しておこう。何より弟に会えるチャンスだ。それだけは逃してはいけない。


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