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- ナノ -
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朝、暴れる私をクロコダイルは容赦無く組み敷いた。


「いやっ!離して!」

「うるせぇ、人の話しを聞きやがれ」

「やだ!男は浮気したら言い訳するもんだって言ってたもん!それに浮気は男の甲斐性だって!」

「誰だ、そんなくだらねぇ知識を与えた奴は。それに俺は言い訳なんかしねぇ」

「マルコ!開き直るのか!?」

「チッ、不死鳥か。開き直りでもねぇよ、馬鹿。事実だ」


事実って何だ事実って。女と寝たのが事実ってことか。泣くぞ、私もう泣くぞ。


「勘違いすんな。誰も抱いちゃいねぇよ。酒呑んできただけだっつってんだろ」

「だって……」


口ごもる私にクロコダイルは疲れたように息を吐いた。


「だってじゃねぇよ。めんどくせぇな」

「う」

「仮に、俺が他の女抱いて何か文句あんのかよ」

「え」

「あんのかよ」

「……ッ、な、ない、です」


あれ、おかしいな。どうしよう、どうしよう。目が逸らせない。怖いよ。恐いよ。怖い。


「あ、あ……ッ」


勘違いしてた?あはは、勘違いしてた。やだ、恥ずかしい。勘違いしちゃってたよ。恥ずかしい、恥ずかしい。やだ、何泣いてるんだろう。あはは、はは……。


「First name」

「はい」

「泣くな」

「はい」

「First name」

「はい」

「悪い」

「……ッ」

「泣かないでくれ」


そんな、そんなこと言わないでよ。もう、辛い。辛い、辛い、辛い。


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