07
ロビンに言ったらフフフって笑って「ボスは、あなたのその髪が好きなのよ」って言われた。そんな風に言われたら悪い気はしないどころが、浮かれてしまう。
「私も長い方が良いと思うわ」
「そうっすか」
毛先を、くるくる弄ぶ。じっと髪を見つめて不意に立ち上がった。
「あら、どこ行くの?」
「え、クロコダイルさんのところに……」
「フフフ」
「う」
楽しそうに笑っているロビンを恨めしげに見つめ、私は髪を靡かせながら彼の自室へと向かった。
「クロコダイルさん……あれ?」
大抵ふかふかの社長椅子に座っているのだが、今はそこに姿はない。バスルームに耳を当ててみても、寝室を覗いてみても、どこにも彼はいなかった。
「……」
あれ、おかしいな。
今日は外出する予定だったっけ?いや、それならさっきロビンが教えてくれたはず。
まぁ、何も言わずにどこか行ってしまうことは初めてじゃない。ただ、ただ、最近はそんなことなかったから……。
彼のいない部屋は異様に広く感じた。[ 207/350 ][*prev] [next#]
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