×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
16

戦闘の時間だ。


「エリザさん!アイちゃんのことお願い!」

「分かったわ!First name、あなたも気を付……」


エリザの言葉を最後まで聞くことなく、私はナースの部屋を飛び出した。


「わっほーい!」

「First name、遅ぇぞっ!」

「ごめん、レッド!アイちゃん置いて来てた!」


のんびりアイちゃんと甲板で、前の世界のアニメや漫画について談笑しながらティータイムと洒落込んでいたら、前方より敵船が現れた。

この白ひげに喧嘩を売る馬鹿なんているわけないだろうと周りがバタバタし始める中、特に私は気にした風もなくサッチ特製クッキーを食べていた。

ところが突然、私の持っていたクッキーが砕け散った。


「First nameさん!?大丈夫ですか!」

「うん、大丈夫じゃない」

「え」

「私のクッキーに手を出すとは……どこのどいつだぁあああ!」


敵船から放たれた銃弾が私の手を通過しクッキーに当たったのだ。ちなみに私はロギア系の実を食しているので物理的攻撃なんて効かない。


「ゆ、許すまじ……」


こうして戦闘が始まった。そして白ひげがグラグラと笑いながら、船が壊れるのは面倒だから敵船で殺ってこいと言ったので私たちは敵船で大暴れした。


「ちょっ、First nameちゃんやりすぎ!」

「私のクッキー、かーえーせー」


グリーンは思った。食べ物の怨みは怖いと言うが、彼女の食べ物を奪った時は何よりも怖いと。彼女から食べ物は、ふざけても取らないようにしようと堅く誓ったのだ。

敵の数も、あっという間に減り一段落付いた頃、私は暴れてすっきりしたから皆より一足先に船に戻ることにした。


「エリザさーん。だいたい片付きましたよー」

「あら、お疲れさま。怪我は?」

「全く」

「へぇ、珍しいじゃない。ドMのくせに」

「マリアのマはMなのにドSですね」


ドSのマリアとそんな会話をしつつ部屋の中を見渡すが目当ての人物がいない。


「ねぇ、マリア。アイちゃんは?」

「あぁ、あの子なら音が静かになったからって様子見に甲板に行ったわよ」

「は?」


いやいやいや、不味いだろ。それは不味いだろ。


「心配することないわよ。もう、終わるんでしょ?」


そうなんですけど、マリアの言ってることは正論なんですけど、あの子ナナちゃんと一緒で巻き込まれドリーマーなんですよ!

嫌な予感がビンビンして、私は慌てて甲板へと駆け出した。


[ 196/350 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]