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15

船へ戻ればクルーたちが出迎えてくれた。その中にはマルコもいる。


「遅かったなぁ」

「そ?」

「た、ただいま戻りました」

「おう」


ドサリと背負っていたサンタクロースみたいな袋を床に置き、反対の腕で支えていたアイちゃんをゆっくり下ろす。


「仰々しい出迎えだね。マルコ隊長」

「お前が遅いからだよい」


嘘。マルコは嘘が下手だな。私がアイちゃんにあまり良い感情を抱いていないことを周りも薄々感じている。だから、なかなか帰って来ない私たちに不審に思い、私が何かアイちゃんにしたのではと思っていたのだろう。

そう考えた瞬間。黒い感情より珍しく悲しい感情が勝った。

もう何年も一緒にいるのに私は信用されてないの?マルコは私をそんな目で見ているの?

私は家族でしょ?


「おーおー、すげぇ荷物だな」

「サッチ隊長。ぐへへ、これ全部アイちゃんの。サッチ隊長好みの服も下着も買いましたよ」

「First nameっ!グッジョブ!」



親指をぐっと立てて片目を閉じたサッチに私も倣って親指を立てた。マルコに二人揃って、どつかれたのは言うまでもない。


「アイちゃん、これ部屋に運んでおくね」

「え、あ、ありがとうございます!」

「いーえ、疲れたでしょ?サッチ隊長に美味しいお茶でもいれてもらいな」

「え、でも……」


アイちゃんはチラリとサッチを見て私を見た。


「First nameが、あぁ言ってんだ気にするな。First nameもそれ置いたら来いよ。準備しとく」

「わーい。甘ーいホット……」

「チョコレートな」


さすがサッチ。私の好みをすでに把握済みとは、やるな。

何事もなかったような私の態度に周りのクルーとマルコはホッと胸を撫で下ろしたとか。


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