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結局、私の押しに負けて大量の買い物をさせられてしまったアイちゃん。店を出ればタイミング良く船に戻るのだろうオジサンクルーに出会して荷物を持って帰ってもらうことに成功した。決して押し付けたわけではない、うん。
「さて、次はどうしますか」
「あの、話しの続きなんですが……」
「あぁ、じゃあ、あそこで茶にしよー」
素敵なカフェを見付けて向かった。あの子も落ち着いて話したいと思ったのか大人しく着いてきた。
目の前にそびえ立つパフェ。思わず涎が垂れそうで口元を拭った。
「い、いただきます!」
パクリと一口。美味です。すごく美味です。久々の、この体に悪そうな甘さ。最高です。
「あれ、食べないの?」
「あ、いただきます。じゃなくて!」
あの子は溜め息を吐き、真面目な眼差しを私に向けた。なんだか馬鹿にされた気分で、いらっとした。
「何で、何で、私のこと嫌いなんですか?」
「え、別に嫌いじゃないよ」
「そんなわ……ッ」
「興味ない。……ただそれだけ」
嘘。全部、嘘。本当は好きじゃない。嫌い。好きじゃない。興味がないわけがない。興味があるから、ありすぎるから……あぁ、頭痛い。
自分の感情が整理できない。嘘に嘘を重ね、また嘘をつく。いったいどれが本当の気持ちなのか自分でも分からなくなっている。
「私には私の物語がある」
「物語って……」
「あなたには、あなたの物語がはるはず。だからあなたは、あなたが選ぶ道に進めば良い」
もし、それが私と対立すべきであったら、その時はその時。全力で私はこの子を倒す。
この子が白ひげの船に来た時点で既に私中心の物語からこの子中心の物語に移ってる。
サブキャラならサブキャラなりに私は私の物語を進みたい。
それさえ、ただの見栄。[ 194/350 ][*prev] [next#]
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