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どうしたものだろう、この状況。まぁ、仕方ないって言ったら仕方がないのだが、素直に認めたくない。
「すみません、付き合わせてしまって」
「ううん。私も買い物したかったし、気にしないで」
そう、私はアイちゃんと現在進行形でショッピング中。何やら女の子用品買うそうでマルコのことは放置してきたらしい。やるなぁ、おい。
「まさか、来てくれると思いませんでした」
「私も、まさか誘われると思いませんでした」
私を買い物に誘うなんて何か裏があるだろって疑ったが、まぁ女子高生にやられるほど柔な人生送ってないから了承した。トリオもビックリだ。
「エリザさんに言われて……」
「何を?」
「……自分から行動しなきゃ何も変わらないって」
自分から行動、か。私はしたか?いやいや、しなかったな。今では力を手に入れたから、多少のことでは動じなくなったけど、前までの私は完璧受け身だった。間違いない。
「ふーん……」
あ、あの店よさそう。
「ねぇ、あそこ入ろ」
言うが早いか私の足は既にそちらを向いており、あの子は慌てたように駆け寄ってきた。
「あの、聞いて良いですか?」
「んー?あ、これにしな。アイちゃんにぴったり」
「え」
「あと、これとこれとこれも。あ、あれも買い」
「え、え、え?」
山積みになっていく自分の物らしい服たちに、あの子はポカンと口を開けた。
「こ、こんなには……」
「大丈夫大丈夫、金なら腐るほどあるから、たぶん」
「たぶんて……てか、私こんなの着れません!」
物色中の私に突き出したショートパンツ。何を言ってるんだ、この子は。
「若いんだから足ぐらい出せって」
もはやオヤジでしかなかった。[ 193/350 ][*prev] [next#]
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