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18

一度で良い、私もこんな地位のある人種に生まれてきたかった。そしたら私はこんな人間になっていなかっただろう。


「私がこのアラバスタ王国の国王であるコブラだ。此度は国民を救う働き、心から礼を言う」


威厳たっぷりに肩苦しい挨拶をした後、コブラは人の良さそうなオジサンのようににっこりと笑みを浮かべた。


「ありがとう」


その笑顔が白ひげのそれと重なった。この人もなんて器の大きい人なんだ。私は、ひざまづき頭をさげた。


「勿体なきお言葉。ありがたき幸せ、です」


こんなんで良いのか?まぁ、良いんじゃないか?


「はっはっはっ、そう堅くならなくて良い。本来ならば国民を護るのは私の役目なのだから」

「あ、はい」


そうは言っても王様だよ?さすがにルフィたちみたいに図々しくはなれない。私これでも昔は一般人だったし。


「どうだ、お茶でもしないかね?美味しい紅茶があるんだ」


紅茶ですか。最近私、紅茶には目がないんですよ。

いつの間にかティーセットが準備されており、なんとも呑気な午後の茶会が始まった。


「私にも君と同じくらいの歳の娘がいるんだ」

「お姫様ですか?」

「いや、姫など似つかわしくないじゃじゃ馬娘だ」


確かビビって十代じゃなかったっけ?私、そんなに若く見える?そーいえば前にもロビンに女の子呼ばわりされたし、クロコダイルには少女って言われたな。

嬉しそうに娘の話をするコブラは国王ではなく人の父親でしかなかった。

こんな人をクロコダイルは不幸にしようとしているのか……。


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