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「迎えに来たよーい……って嬢ちゃんは、まだ具合が悪ぃのかい?」

「否、体調の面では何の問題もねーはずなんだか……。あ、ちなみに嬢ちゃんの名前はFirst nameだってさ」

「First name……か」


船医とマルコが話している間、私はベッド際にある窓から見える壮大な海を目に映していた。


「First name」

「ん」


名前を呼ばれ振り向けばマルコ隊長が腕を組んで私を見おろしていた。


「あ、マルコだ」

「……隊長だい」


隊長って付けろってか?意外と偉そうな奴だったのか。


「マルコ……隊長」

「嫌々言ってんじゃねぇよい」

「あい」

「行くよい」

「行かなきゃ駄目かよい」

「真似するんじゃねぇよい」

「いてっ」


後頭部をはたかれた私は頭を抱えて呻いた。


「隊長、一応女だ。暴力はそこそこにしとけよ」


船医、一応ってなんだ一応って。正真正銘、生物上も戸籍上も女だっつーの。


「うるせーよい。おい、First name。おめぇは世話になる船の船長に挨拶もできねぇ礼儀知らずな人間なのかい」


海賊に挨拶がどうとか、礼儀がどうとか言われたくないんすけど。


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