18
暫し、思考停止中。ふかふかすぎるベッド。日射しの代わりにバナナワニが視界に飛び込んできた。
「……」
あぁ、そうだ。レインディナーズに来たんだ。いやーすっかり忘れてた。
ぽふりと体を仰向けにし天井を見つめる。
「高っ」
ずいぶん高い天井、ちょっと触ってみたくなって気付いたら風になっていた。
「よっと」
余裕で届いた。さすが私。そのまま風になって、ふよふよ浮いていたら扉が開いた。
「……それは夢遊病かしら?」
「……ちゃいますよ」
下りて洗面所へと向かう。
「ミス・オールサンデー、何かご用ですかい?」
あ、マルコ語でた。
「朝食に呼びにきたの」
「あー……」
うわ、洗面台の装飾も素晴らしいじゃないか。キンキラキンだ。
あー、さっぱり。
「朝ってあんまり食べない派なんすよね」
「社長と一緒よ」
「はい、いっきまーす」
何だ何だ、ロビンめ。早速、私の扱いを心得てるじゃないか。
「着替えを置いておくわね」
「へ?」
タオルで顔を拭きながら戻ればベッドに置かれた真っ白な布。
「あー、ミス・オールサンデー?」
ぺろりと広げてみて、苦笑。
「さぁ、社長がお待ちよ」
拒否権はなしですか。白のシャツワンピって……鰐さんの趣味?いったい私をどうしたいんですか?
鏡に映る自分にゲロ吐きそうになった。[ 158/350 ][*prev] [next#]
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