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すごいものを目撃してしまった。口に入れたスープが、だらだら溢れてしまうぐらいの驚愕。そして感動。

うわっ、うわっ、うわぁあああああ!リアルだ!リアルに食べてる途中で、喋ってる途中で、寝た!すっげぇええええ!


「なんて器用なことをしてるんだ、こいつは」

「え、まじで寝てる?」

「イエロー、フォークで刺そうとしない」


エースが原作通りの人間だということに私は感動し、レッドは呆れ、ちょっかいを出そうとするイエローをグリーンが宥める。


「お、やべ。寝てた」


前触れなく起きたエースは何事もなかったかのように再び食事を始める。

すごいすごい、と見つめていたら不意に目が合った。


「な、何?」


逆に見つめられてしまいドキマギしてしまう。


「First name、お前って……」


エースが何かを言いかけた途中「島が見えたぞ」という声に遮られた。


「島!?行こうトリオ!」


島が見えた時のワクワク感。未だに興奮してしまう私にトリオたちも元気いっぱいに付いてくる。


「うわぁ!」


甲板の一つ上の階の縁から身を乗り出すように前方を見つめる。既に島は視覚で捉えられる程に接近していた。


「なーんだ、ちっちぇ島じゃんか」


つまんなそうに言うイエローの脇腹を肘で小突く。


「いてっ」

「余計なこというから」


グリーンが隣で呆れたように笑った。


「おーい、お前ら親父んとこ集まれだってさ」

「うぃーす」


呼びにきてくれた先輩クルーに仲良く返事をし好奇心を抱きながら向かったが、すぐにその気持ちはへし折られた。


「え、何何どういうこと?」


話しの意味が分からない私は、こっそりレッドに聞いてみる。


「つまり、どっかの海賊があの島を占拠してんだってよ」

「あー、なるほど。で?」

「はぁ……だから」


「戦闘だぁあああああ!」


「分かったか?」

「分かった!」


クルーたちの雄叫びに私の戦闘心も擽られた。もう一般人なんかじゃない。


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