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- ナノ -
15

今夜は浜辺でキャンプファイヤー。白ひげも楽しそうに酒をあおっている。

いつの間にか始まった演奏に皆、体が踊り出す。

いつか見た漫画で読んだ宴が目の前で再現されている感じ。


「んー、今日は楽しかったぁ」

「それは良かった良かった」

「First nameちゃんも楽しかったでしょ?」

「うん、それなりに」

「何それー」


寝そべっていたナナちゃんが上半身を起こした。背中に付いた砂を払ってあげる。


「ねぇ、何で親父って呼ばないの?」

「唐突だな、おい」

「うん、ちょっと気になって」


闇に燃えるオレンジ色の炎を見つめ、皆より少し離れた場所で、ちびちびと酒を飲む。

向こうの方では、既に出来上がってきている赤髪が見えた。


「特に理由はないけど、最初に呼ばなかったらタイミング逃した」

「ふーん」

「それに私が親父って……あ、たまにふざけてパパって呼ぶけど」

「まじか!?」


「白ひげがパパとか似合わねー」って、腹抱えて笑いだしたナナちゃん。


「じゃあさ、じゃあさ」

「ねぇ、もしかして酔ってる?」

「こんくらいじゃ酔わないから。てか、酔えないから」


あら、そう。まぁ、私もだけど。


「クロコダイルに会いに行かないの?」


何を言い出すんだと睨めば彼女の目は真剣だった。溜め息を溢し視線を逸らして前を見据える。


「行かないよ」

「そう……」

「まだ、その時期じゃない」

「それは……言い訳?」

「……かもね」

「そっか……」


どうして私は白ひげのところにトリップしたんだろう。

沢山の幸せも貰った、家族愛だって感じてる。

だけど、やっぱり私だって女だから私だけを愛してくれる人が欲しい。

そして私自身が狂おしいくらい愛せる人が欲しい。

欲張りかな?


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