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赤髪のイメージがまた崩れた。浜に戻ると何やら赤髪海賊団の皆が騒いでる。
「見つかったか!?まだか!?まだなのか!?」
「お頭落ち着けよ、白ひげんとこの奴が付いてるんだろ?」
肉をくわえてるデブな船員が赤髪を慰めている。何だったっけ、あの人の名前。
「付いてるって、女だぞ!?お前ら何はぐれてんだよ!」
赤髪は申し訳なさそうに頭を下げていたレッドたちに噛み付いた。
あ、何か今、馬鹿にされた?女だからって馬鹿にされた?
胸に何かが引っ掛かった気がする。
悔しい。
「ちょっと待ってくれよ。First nameは確かに女だが、そんじょそこらの奴に負けたりしねー」
レッドが赤髪を見据えて言う。
「そーだそーだ!てめぇ、First nameを女だからって馬鹿にすんじゃねぇよ!あいつは強い!」
今にも掴み掛かりそうなイエローの肩をグリーンが押さえる。
「イエロー落ち着きなよ。赤髪、自分の女を心配するのは分かるけど。あまり僕らの家族を……妹を馬鹿にしたこと言わないで下さい」
真剣なグリーンの目差しに赤髪は目を伏せた。
「すまない、口が過ぎた」
「ほんとだよ、馬鹿」
「えっ!?」
突如、腕を組みし仁王立ちして登場したナナちゃんに一同驚愕。
私も隣にいたはずのナナちゃんが忽然と姿がなくなり驚愕した。
「First nameちゃん、めっちゃ強かったんだからね」
お前が威張ることじゃねーだろがと思いながらも私も皆のところに向かう。
「ナナ、また絡まれたのか」
「う」
ベンが呆れてる。やっぱり、しょっちゅうなんじゃん。
「レッド、イエロー、グリーン」
「First name!」
振り返ろうとした三人の背中に突っ込んだ。
「うわっ!」
手をいっぱいに伸ばして、ぎゅうっと抱き付く。
「どうした?」
「痛てぇよ、その突っ込む癖なおせ!」
「First nameちゃん、大丈夫だった?」
レッド、イエロー、グリーン、私のこと強いって言ってくれた。でも、きっと、心配もしてくれた。
「もー、お兄ちゃん大好きだぁああああ!」
信頼してくれる人、心配してくれる人、そんな人ができて幸せを実感する。[ 114/350 ][*prev] [next#]
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